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【パレット】
・製作者:指人形様 

総合評価:A(シリアス、ミステリアス、RPGツクール95製、1000万円)

さて、我が心の師豪腕はりーさんのところでも取り上げられておりました、この『パレット』ですが。

1000万円です。

フリーゲームですが、


















です。

1000万円ってどのくらいかイメージできるでしょうか?日本のサラリーマンの平均年収が約・・・万円です。

利根川さんに言わせれば、


 想像してみろ
 何も築いてこなかったおまえらに
 どこまで想像が届くかわからぬが 想像してみろ
 いわゆるレールの上を行く 男たちの人生を

 おまえらのようにボォーッとしちゃいないぞ‥‥!

 小学中学と塾通いをし‥‥‥
 常に成績はクラスのトップクラス
 有名中学 有名進学校と 受験戦争のコマを進め
 一流大学に入る‥‥‥
 入って3年もすれば
 今度は就職戦争‥‥
 頭を下げ
 会社から会社を歩き回り
 足を棒にしてやっと取る内定‥‥‥

 やっと入る一流企業‥‥
 これが一つのゴールだが‥‥‥‥‥
 ホッとするのも束の間
 すぐ気が付く
 レースがまだまだ終わってないことを‥‥
 今度は出世競争‥‥

 まだまだ自制していかねばならぬ‥‥!
 ギャンブルにも 酒にも女にも溺れず
 仕事を第一に考え
 ゲスな上司にへつらい
 取り引き先にはおべっか
 遅れず サボらず ミスもせず‥‥‥
 毎日律儀に 定時に会社へ通い
 残業をし
 ひどいスケジュールの出張もこなし‥‥
 時機が来れば単身赴任‥‥
 夏休みは数日‥‥‥

 そんな生活を10年余続けて
 気が付けばもう若くない
 30台半ば‥‥ 40‥‥‥
 そういう年になって
 やっと蓄えられる預金高が‥‥‥
 1千‥‥2千万という金なんだ‥‥

 わかるか‥‥‥?
 1千万は大金‥‥‥
 大金なんだ‥‥‥‥!


こうすると、本当にこのゲームの評価の高さが理解できますよね。
なんでフリーゲームなのに1000万なのん?という質問はハリーさんのところを参考にしてくださいと、投げさせていただきます。

ただ、一言で言うのならば、
『ゲームのプロ達に、1000万円の価値があると認められたゲーム』

という事です。それがタダでプレイできるのならば、するしかない。

さて、ストーリーは精神科医『シアノス・B・シアン』の診療所からスタートします。


診療時間を過ぎ、彼が帰り支度をしていると、扉の向こうから女性の声が聞こえてきました。
女は言いました。「彼女の話を聞いてあげてください」、と。
診療所の受話器を取るシアン、聞こえるのは少女の声。
『赤い色しか覚えていない』
リンゴの赤
レンガの赤
暖かな暖炉
誰かと見た夕陽
古びた本
飾られた花瓶
赤い服


赤いシミが付いた服

少女の名前は『B・D』
全てを忘れた、悲しい少女。
シアンとB・Dが力を合わせ、失った記憶を取り戻した時。
古びた小屋には、一体何が残るのか。

この『パレット』は、失われたB・Dの記憶を取り戻すべく、手がかりを元にフィールド(B・Dの記憶の中)を駆け回るゲームです。

フィールド内で、様々な場所を調べる事で、少しずつ忘れていたことを思い出していきます。しかし、中には『断片』と呼ばれるものを持っていなければ思い出せないような出来事も多くあります。

この『断片』と、断片と事象を一致させる『確定』と呼ばれるシステムが、このゲームの肝でして、『○○の断片』という物を持っていれば、今までは調べても思い出せなかった『○○の影』に対して『確定』を起こすことが可能で、それによりドンドン記憶を取り戻す事が出来るわけです。

明らかに怪しいところがあっても、それに対応した『断片』をもっていなければイベントを発生できずにフィールド内を駆け回ることになるのですが、無理に記憶を呼び覚まそうとする事は、B・Dの精神に大きな負担を与え、長時間記憶を探り続けると激しい頭痛に襲われ、B・Dは現実世界に引き戻されてしまいます。

この辺りが、実に上手く記憶障害を表現していると思い、気に入りました。ツクーラーとして参考になりますね。
そもそも僕がこのゲームをAランクにしているのは、設定でもストーリーでもなく、この表現力を買ってです。
プレイヤーをゲームに引き込む力、それってよく耳にしますが、実際にどれだけのゲームがそれを備えているのでしょう?
ゲームだけでなく、小説やマンガや映画、あらゆる娯楽において、『夢中にさせる』というのはとても大きいと思います。

このゲームは是非イヤホンで、音量は一切いじらずにプレイしていただきたい。

本当に、トランス状態を引き起こします。いや、大げさでもなんでもなくてですね、自分が今何処にいるのかが分からなくなる感覚を味わえます

ゲーム作品として、主人公が記憶喪失というのは決して珍しくはありませんが、それをプレイヤーに対して共感、いえ”共鳴”させることが出来た作品を僕はこれ以外知りません。

このレビューを読んで少しでも興味を持った方、是非プレイしてみてください。
特にゲームを作ろうと思っている方、いらっしゃいますか?
ストーリー、システム、確かに大事です。ですが、表現というものは、それらを更なる高みに導いてくれます。このゲームを参考にしてみては如何でしょう?