■“最も偉大なるファラオ”“現王神”ウセルマアトラー(ラムセス2世) 紀元前12〜13世紀頃、古代エジプト第19王朝に君臨し、古代エジプトの長大無比なる歴史の中でも 最も繁栄した時代を築いた“最も偉大なるファラオ”。 彼の治世においてエジプトはリビア、ヌビア、パレスチナにまで勢力を伸張、ヒッタイトをも退け最も豊かな時を迎えた。 古代エジプトにおけるファラオとは即ち神の子にして生まれ変わりであり、 地上に現れた神そのものであった。 彼もまた太陽神ラーの子にして化身であり、即位名はウセルマアトラー、ラムセスという名は「ラーにより生まれた者」を意味する。 彼の言葉は神の言葉であり、それゆえ絶対にして誤らぬものでなければならない。 彼は王として完璧に統治し、神の名に相応しい恩寵を与えた。 しかし、ヘブライびとの孤児にして彼の弟として育った預言者モーゼは、 彼のもたらす豊かな世界を振りきり、多くのヘブライびとの同胞とともに新天地を目指し旅立つ道を選ぶ。 彼はヘブライびとの名を捨てナイルびととして生きるならファラオがこれ以上ない恩寵を与えようと弟を説いたが、 結局弟は紅海を越えエジプトを去っていった。 型どおりに派遣された追討部隊が逃亡者たちを見失ったとの報を聞きながら王は物思う。 余は間違いなく理想郷を作り出す。 余は彼らの望む全てのものを与えられよう。 だがしかし… 与えられる幸福を拒んであえて苦難に身を晒すのも また人の業かも知れぬ、と。 ・性格  王にして神たる者の自信と威厳に満ち、常に威風堂々と振舞う。  一人称は『余』。  またマスターに対しても「マスター」という呼称は使用しない。  しかしそれは支配者としての民に対する責任と自負を伴い、必ずしも尊大傲慢な印象を与えるものではない。  自分自身の偉大な力や高い地位は生まれ持ってのものである以上単に当然のものであって誇るようなものではなく、  国と民とを栄えさせ幸福で豊かな生活を与えることが王にして神である自分の仕事であり喜びであると考えている。  自分自身が神であり理想の君主であると考え、地上全土を自分が統治し裁定し導くことが全人類にとって  もっとも幸福な状態であると本気で思っており、  この為、悪意はないのだが人によっては圧制者と見られ反感を買うこともある。  かつて志を違えた弟(血はつながっていない)があり、彼が一連の同族とともに  自分の統治を拒み荒野へと旅立って行ったのを止められなかったことを過去の唯一に近い悔いとしている。  また、結構な色好みであり、女性に対しては露骨に態度が優しい。  他の太陽神格に対しては、男性ならば「我が分身」、女性ならば「我が妻」と呼んで粉をかける。  割とおしゃれや身だしなみに気を使う方で、現代のファッションに興味津々。  マッチョダンディー。 ・方針(聖板戦争での立ち回り方)  基本的にはマスターを軍師として扱い、ゲーム的な感覚で積極的に且つ堂々と天下取りを目指す。  謀略政略も嫌いではないが、犠牲者を出すことは好まないため悪辣なマスターとは合わないだろう。  ゲームで臣民を傷つけることは良しとしていないので、基本的には相手を心服させた上で降伏を促すことを好む。  一方、残虐や卑劣などの悪なるものには容赦なくバチを当てる姿勢で臨む。 ・戦闘スタイル(強み・弱点含む)  魔力と神性により神の域に高められた肉体を武器に格闘戦を行う戦闘魔術師(というか神)。  肉体から太陽の炎を生み出せるため、これを拳に纏わせ殴ったり、飛び道具として投射したり、  距離を問わずオールラウンドに戦える。  格ゲーの炎使い、或いはパイロンとかフェルデンとかみたいなものを想像するとよいかもしれない。  漫画ネタだったらダークシュナイダーとか。  筆者的にはマグニートの動作が念頭にあったりした。 ・戦闘時相性の悪い相手・良い相手  太陽のエネルギー(核熱)は普通の炎とは異なり、また単純に破壊力が凄まじいので  余程特殊な防御方法(能力)を使う相手以外には簡単に大打撃を与えることができる。  特に攻撃範囲が余波も含め広域に及ぼせる関係上、厄介なサーヴァントでも  マスターをもろともに攻撃することで苦しめられるというのは利点。  鎧などは着ていないので防御は弱そうに思えるが、全身を数千度の炎の柱と化すことも可能で  こうなるといるだけで周りは大惨事である。  ただ、攻撃防御ともに特殊攻撃の類が少なく、単純に物理的打撃力の勝負となるため、  特殊能力が強力な相手には苦戦することもありうる(不死身を殺しきれないとか)。  また、能力の火力が高く広範囲に及び易い関係で、チームを組んで戦うような場面では  味方を巻き込む危険が生じてしまうのも弱点。 ・性格的に相性の悪い相手・よい相手  典型的な秩序・善の性格を持つため、同様のアライメントを持つ者とは基本的に親和性が高い。  特に騎士道・武士道などは王も高く評価する。  ただその場合相手側が王を君主、または君主と同格の人物として受け入れられるかという問題は生じるが。  過去の因縁のためと相手側の教義の内容の問題でキリスト教及びユダヤ教をあまり快く思っていないが、  それでも王にとっては彼らも等しく導き繁栄を与えてやるべき臣民のうちに入っているようである。  (王にとっては一神教の神=太陽神(=自分)が内に持ち規範とする正義の異民族的擬人化として結び付けられるようである)  反対に、悪に対しては妥協せず神罰を与える。  テロリストのような政治的信念から悪事を行うものや、正義の相対性を主張して  悪性を正当化するような類の輩には特に容赦がない。  彼にとっては守るべき絶対の正義や善は間違いなく存在し、それは自分によって実現されるものだからである。 ・最後のサーヴァント自身から一言!  「余こそは真の王にして神、万物に命を与え、光を以って衆生を導く日輪である。   汝ら平伏し余を崇めよ。   汝ら臣民全ては我が威光により平和にして幸福な生活を享受する権利を有しておる。   よって余がそれを与えよう。   汝ら臣民は皆喜ぶがよいぞ。」 ・その他自由スペース <史実のラムセス2世(紀元前1314頃〜紀元前1224、または紀元前1302頃〜紀元前1212)>  古代エジプト第19王朝のファラオ。  彼の治世においてエジプトはリビア、ヌビア、パレスチナにまで勢力を伸張、その長い歴史の中で最大の繁栄を迎え、  「最も偉大なファラオ」「ラムセス大王」と称される。  大柄な体格、強靭な体力に恵まれた美丈夫で、専用の強弓は王その人の他には誰も引くことができなかったという  優れた戦士でもあったが、戦争にはそれほど華々しい記録はなく、どちらかと言えば外征型ではなく内政で能力を発揮した人物。  但し、戦ベタというわけではなく、ヒッタイトを相手にした有名な「カデシュの戦い」においては  敵の罠にあって包囲されながらも自ら戦車を駆って獅子奮迅、援軍到着まで凌ぎきって窮地を脱するなど武勇もある。  また、対ヒッタイト以外の制服事業には十分な成功を収めているのに加え、カデシュの戦いにおいても  敗戦に近い引き分けともいわれる結果になりながら、最終的にはヒッタイトと有利な平和条約を結ぶことに成功しているなど、  戦略レベルや外交の手腕も含めるとむしろ有能な部類と思われる。  大変に精力旺盛な人物で、24歳で即位し66年間統治、90歳で没したとされる。  当時の平均寿命が35歳前後と言われているらしいので、恐るべき長寿である。  その子の数の逸話と言い、いろいろな面で超人的な人物でもあったようだ。  なお、キリスト教の業界では「出エジプト記」においてモーゼがユダヤ人解放を訴えた王がこのラムセス2世であると  言われることがあるが、残念ながらエジプト側にはユダヤ人の出国に関する一切の記録が残っていない。  「聖書」においては海が割れるクライマックスで知られるこの事件も、エジプトから見れば記録にも値しない  小さな出来事に過ぎなかったということらしい。